あとがき
◆72柱の悪魔紳士録◆
イスラエル、ユダ国ダビデ王の第二子として生を受けたソロモンが真鍮の瓶に封じ、時に使役した悪魔達。
ソロモン王が綴ったとされる「大魔術書、グラングリモワール」。その中の一冊「レメゲトン(ソロモン王の小さな鍵)」に、72の悪魔が記される。
◆美貌侯アンドレアルフース◆
30個軍を従える侯爵。利己心、賢さ、創造を司る。
召喚者が頼めば人間の姿で、それ以外のときは大きな孔雀の姿で現れる。
天文学、幾何学、測量などの知識を与え、人間の生贄を差し出せば空を飛ぶ能力も授けるとされている。
だが、彼は人間に鋭敏な感覚をも与えるため、それに耐えられずノイローゼに陥り、発狂する召喚士もみられる。
彼はエノクの堕天(エノク書に記された堕天使)ではないため、72柱の中において少しばかり影が薄い。
アルフース→堕天という設定は不二オリジナルなので鵜呑みにしないよう(笑)
◆クローネ=カイゼリン◆
Krone (独) 1、王冠 2、最上の
Kaiserin (独) 1、女帝 2、皇后
◆あとがきっぽくあとがき◆
「美し〜い悪魔が出てきて、ゴシックっぽくて、ちょっと暗〜い雰囲気で、甘々じゃなくて、女の子が女々しくなくて……」という恋愛物がふと読みたくなりました。
それがこの話のすべてです。(笑)
そして結局全部カールソンが悪い、というのがこの話のまとめです。めでたしめでたし。
悪魔紳士録はいつも使ってみたいと思っていたもののひとつです。余談ですが、「THE
KEY」に登場する魔公アガレスもこの紳士録の中にいます。
ソロモン王様々……。
しかし元々「恋愛」というカテゴリーが非常に苦手なこのワタクシ。読むのも書くのも大苦手。「恋愛」と冠をつけると読者幅が広がることは少しこの世界にいる人なら分かることと思いますが、それも嫌だった……。
よって恋は廃止。(ただ単に技量がなかっただけというのはオフレコの方面で)
愛の哲学でのりきりました。(笑)
とどのつまり、他人を愛するということは自分を愛するということと同一なのです。ということのような気がします。他人が自分になる。それが究極形…なのか?
自分で言っていてよく分からないんですけど。
疑問形になっている時点で結論出てませんね。
まぁ、耽美でゴシックな彼らならではの行き着くところ(笑)
今回のふたりは共に非常によく似た精神構造をしていますね。百年の対話がそうさせたのかどうなのかは分かりませんが。
しかしアンドレアルフースはどこまでもお高く(笑)、気難しく、傲慢に。
クローネ=カイゼリンはお堅く、頑固で、ちょっとばかり愚痴っぽく。
まだまだ技量が足りずどことなく地に足がついていない物語ではありましたが、少しでも楽しんでいただけたのならば幸いです。
それではそれではごきげんよう。
この物語、悲劇か喜劇かは──。
03.2.2 風邪ひきの不二 香
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