白狐あとがき

五月に出す予定だったこれが、何故六月に出ているのでしょう。……謎です。

〜狐さまについて〜(補講/笑)

普通の狐さまは黄色ですね。
黄色とは、陰陽五行説で、“土”を現します。土は天と対をなすものとして中国農村で崇められていました。
日本でも、大昔和銅年間は陰陽において水害などに見舞われやすい時期だとされ、実際かなりの天候不順であったらしいのです。
そこで水を抑えるために、土の気を持つ狐が崇められ始めたようです。(陰陽「土剋水」の理より)これが稲荷の始まりなんですね。
そして焔の白狐ですが、白は“金”の気を表し、狐は前述どおり“土”の気を表します。これは土から金を生む、陰陽五行説でいう「土生金」の理となり、非常におめでたいモノになるわけです。
貨幣経済が広まり根付くに従って、白狐信仰が深まったのもうなずけます。
ちなみに、黒狐ですが、黒は“水”、狐は“土”で、ただの狐さまより更にパワーアップな状態の「土剋水」となっているのだそうです。

ついでに言うなら、九尾の狐って本当はすんばらしい吉兆なのだそうです。
君主が良く、国が治まっている時に出現するとされていたんです。
今では金毛九尾(中国で妲己、天竺で華陽夫人、周で褒※(ホウジ)、日本で玉藻の前となって、安部泰親に那須野原で討たれ、霊が化して殺生石となった…というあれです)のおかげか、吉兆というよりは、とんでもない妖狐というイメージが強い気がしますが…。


※→女偏+似。
参考文献:著・吉野裕子「狐」                         不二



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