冷笑主義

 第11話 Dr.F

Eritis sicut Dei
─ 汝ら神のごとくならん ─



 渡り鳥の群れが空を横切る季節。
 冷たい晩秋の夜風が家々の窓を叩く頃になってようやく、世界は吸血鬼の悪夢から覚め始めていた。

 アレッサンドロ六世下、ローマの治安はどうにか回復し、パーテルも再建が進みつつあり、人々は以前の生活を取り戻している。
 朝早くから教会に向かい、仕事に向かい、学生は眠い目をこすりつつのろのろと出かける。商人が張りのある声を響かせ、値切る声がそれを覆い、道には土埃が舞い、くすんだ色とりどりの服が行き交う。鐘が鳴ればパンを食べ、ワインを流し込む。厳格な大工の罵声が飛び、諸国漫遊、笛吹きの奏でる悪戯めいた旋律が流れ、カラカラと軽快な馬車の音が聞こえる。

 あの夏の日から、パーテルの吸血鬼は沈黙を守り続けていた。

 番犬に手を噛まれた暗黒都市も徐々にその緊張を解き、夜ともなれば風になりすました魔が家々の扉をガタガタと揺らし、不吉を告げてはクスクス笑うようになった。災いの犬は死の臭いをかぎつけひたひた走り、黒い森からは首なし馬車がやってくる。闇の中をフクロウが滑空し、教会の入り口では澄まして座った黒猫の目が光る。小人たちがからかう相手を探して通りを駆け回り、魔女たちは妖しげな炎を揺らして旅人を誘う。森の奥からはかすかな歌声が響き、酒宴の喧騒が夜を焦がす。
 もちろん楽しげに動き回るのは小物たちだけ、手を噛まれた本人たちは番犬の機嫌を伺いながら未だじっと息を潜めたまま。

 すべては駆け引きなのだ。押して引いての頭脳戦。
 均衡が崩れればへりくだり、愛想をよくして嵐の過ぎ去りを待つ。まずは身の安全。番犬に首輪をつけ直すのはそれからでも遅くない。

 それからでも──……。



◇  ◆  ◇



「バカめ」
 パーテルの背後に広がる黒い森。その前に立ちはだかる大きな屋敷の一室に、ため息が充満していた。
「ユニヴェールがぶっ倒れただなんてローマや暗黒都市の連中に知れたら、またひと悶着あるところだったな」
 屋敷の主、ユニヴェールの寝室。
 暖炉の炎のみの薄暗い部屋の中で、ボサボサの黒髪に分厚い眼鏡、継ぎはぎだらけの白衣を着た男は、もう一度盛大なため息をついた。
「それで、このバカは一体今まで何をしてたんだ?」
 訊くと、メイドが手にした羊皮紙へと目を落とす。
「九月からは毎晩どこかへお出かけです。昼間は地下室にこもっておられました」
「例の実験室か……それじゃいつ寝てたんだ?」
「さぁ」
 ユニヴェールの眠る寝台の横。置かれた樫の椅子にふんぞり返りデカイ態度をしているこの男、名をゲオルク・ファウストという。はるばるドイツからやってきた、ユニヴェールの主治医だ。とは言っても半放浪人。口癖は“バカめ”。
 見かけは世間の荒波でもまれ過ぎて擦り切れた怪しいおじさん。医者のくせに栄養失調なのではないかと思うくらいの痩身で、……とは言ってもユニヴェールの主治医であるところからして、人間相手に医者をやっているのかどうかは疑わしい。
 ちなみに不死身でも不老でもなく一般人。
 暗黒都市とは関係がなく、あくまでもユニヴェールとは個人的な付き合いだそうだ。
「さぁってお前」
「子どもじゃないんですから、寝る時間まで面倒みません」
 確かに、メイドはメイドであってお母さんではない。
「そりゃそうだよなァ、この人、子どもじゃねぇよなァ」
 どうでもいいところで、横からケラケラと大笑いが挟まれた。
 ゲオルクの息子、ヨハン・ファウストだ。こちらは身だしなみに気を使うくらいの社会性はあるのか、それとも父親が反面教師なのか、中途半端な長さの黒髪はきっちりと後ろで束ねられている。
 しかし薄い眼鏡の奥の目つきは悪どく細く──道を歩けば何か蹴っ飛ばさないと気がすまないあの類と、必要以上に頭がキレて尻尾を隠すのは超一流のあの類を足して二で割ったような──若いのに人相はロクでもない。
「先日はフランス国王から伯爵位を授けるというお申し出がありましたが、丁重にお断りに行きましたし、」
「そりゃもったいない」
 無感動なゲオルク。
「ユニヴェール“伯”という言葉の響きが気に入らないようです。じーさんみたいだと申しておりました」
「充分じーさんだろうが。俺の七倍も生きてる」
「それから暗黒都市の会議が五回。うち四回は欠席ですが」
「……ロクに行ってねーじゃねーか」
 半眼でヨハンがつぶやく。
「他には──オスマン帝国の方にもお出かけになったようです」
「お前さんは行かなかったのかい」
「私は人間なので闇は渡れません」
「そうかそうか」
「それから、六回ほど暗黒都市の貴族の祝宴に呼ばれています」
 パルティータが予定の書かれた羊皮紙から顔をあげたのを察し、ゲオルグはカルテに羽ペンを走らす手を止めて再びしみじみと嘆息した。
「……世間ではシャルロが冬眠したみたいに言われてるのに、お忙しいことだな」
「冬眠?」
「壊すものがなきゃ破壊神だってつまらないだろうって理屈さ。噂では、シャルロは壊し飽きたから冬眠してて、世界が壊すに足るだけ成長したら再び目覚めるらしい」
「……はぁ」
 メイドが曖昧な返事をしているとおり、この屋敷の主は確かに単純だがそんなにメルヘンではない。しかし世間は何かと劇的に飾り立てたがるものなのだ。
「と、も、か、く」
 医者はぐるぐる渦を巻く眼鏡をパルティータに向け、断言した。
「ぶっ倒れた原因は明らかに過労と睡眠不足と貧血だ」


 そう。
 数日前、シャルロ・ド・ユニヴェールは意識を失って倒れた。
 しかも倒れた時に階段から落ちた。
 常人ならば死んでいるところだが、とりあえずもう死んでいるのでそのあたりは問題なかった。
 しかし不敵無敵人外論外のこの男が倒れたのだ。ルナールや三使徒はもちろんパルティータまでが仰天し、水をかけるわ自分の血を飲ませてみるわ蹴っ飛ばすわで、ユニヴェールが意識を取り戻した時には二割増くらいひどい状況になっていた。
 騒ぐ家人を振り払い自力で寝台に入り込んだ男は、時々大事な他人の血液を吐血で無駄にしながら眠りについて今に至る。


「しかもなんか変なもの飲ませたろ」
「……いいえ」
 異様に据わった眼差しでメイドが首を振る。
 数年前からほとんど変わらない彼女の容姿。今もって流れる黒髪は艶やかで、四半世紀は生きているはずなのに未だ少女めいた匂いを漂わせている。
「飲ませてみたのは私の血だけです」
「ふ〜ん」
 こんなに近くに美味そうなエサがいて、吸血鬼が味見しないわけがない。本人は人間だと言い張っているが、どうせユニヴェールに喰われていて化け物なんだろう。
 吸血鬼が必要としているのは仮初の命をつなぐ“人間の生=血”であって、化け物の血ではない。
「……中毒とまではいかないが……食あたり、それに近そうなかんじもあるんだけどな。吸血鬼が血を吐くってお前、腹を刺さされたわけでもないのに」
「…………」
 パルティータが明後日の方向を見つめているのが視界に入ったが、ゲオルクは気にせずカルテを叩いた。口調を改める。
「はい。聞きたいことは以上です。じゃ、ちゃんと診察するから。うら若い乙女と役立たずのボウヤは部屋を出てください」
「アァ? ンだとこのクソ親父」
 ヨハンが下から上へとお決まりの視線の流れで父親を睨みつける。
 メイドはその脇を平然と通り抜け、カーテンの合わせ目をぴったり閉め直してから部屋から出て行く。外は太陽の天下、明るいのだ。
「ヨハン。出て行きなさい。病人に迷惑だろ」
「ざけんなよ! あんたが無理矢理連れてきたんだろうが! 俺ァ一体何のためにここにいたんだよ!」
「ヨハン」
「…………」
 まだ何か言い足りなさそうなドラ息子だったが、メイドが扉を開けたまま待っているのを見、渋々出て行く。
 ぱたんと扉が閉められ、ゲオルクはもう一度ため息をついた。
 親の姿を見て継ぐ気になってくれればいいと思ってはいるが、子は親の思うようには育たないものだ。
「ファウスト、手を焼いてるな?」
 ふいに寝台から声がした。
 面白半分のからかい声。
「あの息子ではお前の跡は継げまい。私が代わりに継いでやろうか?」
「……いつから起きてたんだ」
「“バカめ”」
(──ほとんど最初からじゃないか)
 こちらのため息も知らずに、病人は感心したようにつぶやいてくる。
「こんな身体でもイカレることがあるとは、驚いたよ」
 こんな身体。つまり生ける屍。
 ゲオルクは椅子を移動させて吸血鬼の蒼白い顔が見える位置に座ると、その鼻先にペンを突きつけた。
「今のお前さんは、だ。血が足りてない、全然足りてない。断食でもしてるのか?」
「──いや」
 軽く否定して、患者はふと眉を寄せる。
 さも今思い当たったように。
「そういえば、今回はやけに来るのが早かったな。いつもはマウルブロンのボロ住まいにさえいないから見つけるのに苦労するんだが」
 ユニヴェールがわざと話を逸らせたことが分からないゲオルクではない。けれど彼は合わせた。
「ずっとソテールの処にいたのさ。あいつも俺の患者だからな。それをお前んトコの猫──ホラ、なんつった、黒い兄ちゃん」
「ルナール」
「そう、それが嗅ぎつけたんだ」
「ほー、それで……」
 うなずきかけてユニヴェールの動きが止まり、薄く開いた紅がこちらに向けられる。
「……ソテールの? お前が?」
「そうさ。あいつも随分と痛めつけられたみたいだからな」
 ぴろぴろと羽ペンを振りながらゲオルクが笑うと、
「──ちょっと待て」
 ユニヴェールがのそのそと起き上がる。
「ということは、だ。あいつがいつまでもくたばらないのはもしや──」
「なんだお前、あれだけ友達やっといて知らなかったのか? 隊長殿だけじゃないさ、デュランダルがお前を追っかけて長々とこの世に留まってられるのも、重症を負ったって復活してくるのも、全部コレのせいよ」
 ゲオルクはカルテに使っていた羊皮紙の隅を軽く叩いた。
 そこにひっそりと刻まれているのは、自らの尾を噛む蛇(ウロボロス)の印だ。始まりも終わりもない、世界の全一性、物質変成の永遠の輪を意味する──錬金術の象徴。教会から異端の烙印を押されながら、それでも綿々と受け継がれ深いところで確実に勢力を増してきた学問、あるいは思想、それを扱う者の証。
「……なるほどね」
 ユニヴェールが納得したと目を細める。
「あんな時代でも、あるいはあんな時代だからこそ、か。賢者の石を手にして万病薬パナケイアを得た錬金術師がいたんだな。……知らなかった」
「その錬金術師が誰なのかは分からないがね」
 ゲオルクがやれやれと首を振ると、吸血鬼はフフンと鼻で笑った。
「お前たちの秘密主義は今に始まったことではないだろう」

 賢者の石。それはある意味錬金術の集大成であると言える。
 それは如何なるものよりも完全な生命をそなえ、あらゆる力を持ち主に与える。姿を消したり天使たちを使役したり空を飛んだり……。そしてそれを液化させれば延命長寿の霊薬エリクシールが得られ、同時、あらゆる病を治し身体の力を取り戻させる万病薬をも得られるのだ。
 そして賢者の石は、あらゆる金属の黄金変成クリュソペイアへも術師を導く。

「ずっと不思議には思っていたのだよ。私が滅びないのは分かるが、奴らが死なないのは何故だろうとな。奴らが錬金術師の力を──呪われた術の力を借りていたとは思わなかった。もちろんデュランダルには知らされるのだろうが、私は聞く前に死んだからな」
 そして寝台の上のユニヴェールが続けて漏らす。
「一応、あいつも殺せば死ぬということか」
 それがあまりにもバカバカしいつぶやきだったので、ゲオルクは呆れてカルテを放り出した。
「殺しても殺しても死なないのはお前くらいのもんだ。化け物だって殺せば普通死ぬだろう」
「それは殺すとは言わない。滅ぼすという」
「そんなもん俺に言わせりゃ単なる言葉遊びだ」
 憤然と返すと、
「…………」
 ユニヴェールが薄く笑って肩をすくめた。
 不毛だ、そう言っている。
「生きている人間にとっては死も滅びも同じものかもしれんが、私にとっては違う。私は死と滅びの狭間にいるからな」
 そして彼は枕に背を預けると、しみじみ回想してきた。
「ロジャー・ベーコンは偉大な実験科学者だった。二コラ・フラメルは大いなる秘法(アルス・マグナ)を探求し、最も賢者の石に近付いた者だった。そしてバシリウス・バレンティヌスは宙に漂う智を掴み伝道した」
「俺は偉大な医者だ」
 胸を反らせて言っても無視される。
「どいつもなかなか話は面白い輩だったが、いかんせん頭が固かった。わざわざ足を運んで錬金術を教えてくれと頼んでも、口を割らなかった」
 錬金術は隠匿の学問だ。衆人の好奇心で荒らされおとしめられないよう、それは師から弟子への口伝、あるいは寓意ぐういと象徴だけで描かれた書物としてのみ伝えられる。
 例えば、正方形は四元素を、王冠は黄金に練成された金属を、争う龍は腐敗を、そしてペリカンは賢者の石を、暗示する。
(…………)
 ユニヴェールの涼しげな顔をのぞきこみながら、ゲオルクはハハーンと自分のアゴを撫でた。昔からこの男は分かりやすい。
「なんだお前、錬金術なんかやりたかったのか? 素直に教えてくださいって言えばいいのによ。もったいぶった昔話から始めなくたって」
 からかい半分で言ってやる。すると、
「教えてくださいファウスト先生」
 牙を見せてニパッと笑った顔が躊躇いもなく棒読みした。
 他人に頭を下げたり物を頼んだりなど到底しそうにないこの男がこんなにもあっさりと!
 しかし。
「ダメ」
 ゲオルクは即答した。
「…………」
 ユニヴェールの顔が無表情に戻る。
「大体お前には無理な話だ。お前はベーコンの極めたがった実証科学がやりたいわけじゃないんだろ? 錬金術の本筋、大いなる秘法や賢者の石、万病薬の方面がやりたいんだろ?」
「…………」
 無反応は肯定の意。
「どうやっても完成できないんだよ、お前には。死に縛られたままのお前には、な。身体への欲望を捨てて、死の呪縛から脱する。そういうイッちまった奴でないとあの術には触れられない。それが大前提だ」
「…………」
「お前、寝るヒマ惜しんで地下で何をしてた。錬金術だな?」
 ゲオルクは眼鏡をずらして詰め寄った。
「…………」
 吸血鬼は目を逸らして答えない。
「バカめ。俺はなんでもお見通しだ。錬金術、しかもお嬢ちゃんに行く先を隠してるところからして、女絡みだろう。正直に吐け。俺はイイヒトだからお嬢ちゃんには黙っといてやるぞ」


◆  ◇  ◆



「エメラルド・タブレット、トートの書、ケマの書、ド・ジャンの書、沈黙の書、24人の哲学者の書、ロジャー・ベーコンの“オプス・テルチウム”、バシリウス・ヴァレンティヌスの“12の鍵”……草稿も混じってますが、珍しいものがそろっていると思いますよ」
 パルティータは本棚の淵を指でなぞり埃がついていないことを確認してから、その視線を書庫の奥へと進んで行くバカ息子へと向けた。
 何を血迷ったのか、ユニヴェールの書庫を見たいと言い出したのだ。どうも、父親から色々聞かされていたらしい。素直なんだかひねくれているんだか、分からない若者だ。
「それはマイケル・スコットの“秘法について”です。スコットはフリードリッヒ二世の占星術師だったらしいですが、彼が皇帝に献上したものをユニヴェール様がもらい受けたとか」
「……アンタのご主人様は勉強家なんだな」
 重厚な装丁の本、簡素な装丁の本、装丁もない紙束、手に取っては戻し手に取っては戻し、ヨハンが吐き捨てるように言ってくる。
「ヒマなだけだと思いますが」
 パルティータは抱えていた主の外套を背負い直し、答えた。
「やることないんですよ」
「吸血鬼なんてのは昼間寝て、夜になれば女たぶらかして殺してるだけの生活かと思ってたぜ?」
「そういう方も多いですけどね」
 適当に相槌を打ちながら、彼女は主の外套を撫でてみた。
 不慮の事故で水浸しにしてしまったので洗ったのだが、落ち葉で焼きりんごをする片手間に数時間放っておいたのがいけなかったのか、どうもゴワゴワして手触りが悪い。
(捨てちゃおうかしら)
「あの人、何でも知ってんの?」
「一般の方が知っていることは大抵知っていらっしゃると思いますよ」
 どうせ捨てても新調するお金は主が出すのだ。そして主はオカネモチだ。
「あの人、何のためにおベンキョしてるんだろうな。もう死んでるのに」
「貴方はお父上の後を継ぐんですか?」
 言いながら、パルティータは眉を寄せた。
 捨てようと決めて念のためにポケットを探ったら、何か硬いものが手に触れたのだ。洗濯する時に取り出し忘れたものらしい。
「継ぐ気なんかねぇよ。つまんねぇもん」
「では他にやりたいことがおありとか」
 彼女がポケットからつまみ出したそれは、聖母マリアが彫られた金のペンダントだった。
 断固、主の品ではない。
 いくら主に“聖なる”が無意味だと言っても、好き好んで身に付けたりはしない。それにこんな粗悪な金の代物を買うわけがない。
 しかも、だ。鎖に赤い血が付いている。
「他にやりたいこと、ねぇ……」
 それがねぇから家を飛び出せねぇんだよ、そんな若造のボヤキを背景に、
「ルナール!」
 パルティータは呼んだ。
「何ですか」
 間を置かず、長髪長身、黒の剣士が書庫の入り口に顔を見せる。
「お使いにいってほしいんだけど」
「どこまでです?」
「暗黒都市まで」
「いいですよ。用件は?」
「まず──」
 金のペンダントを振り子のように揺らしながら、薄ら笑いを浮かべて指を折るパルティータ。
「……この女、人の話聞いちゃいねぇ」
 彼女の後ろでは、ヨハンが本棚を蹴っ飛ばしていた。
「クソッ! 痛ェんだよ! ふざけんな!」
 本棚の方が強かった。



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